シーザー(鋏)の歴史

世界最古の鋏はにぎり鋏(U字型)の物でギリシャ時代以前から使われていたと言われています。
現在のようなクロス(X字型)タイプの物はローマ時代から使われており、我が国に伝えられたのは明治の初期フランス人に依って伝えられたと言われています。

武家社会の終宴と共に明治4年(1871)断髪令が公布され、断髪が習慣となり、鋏の普及に拍車をかける事になりました。

日本に至っては明治10年刀鍛冶の職人に依って国産の鋏が作られました。これは現在の花切り鋏のような刃が幅広の物でした。需用と共に改良を重ね現在の様な多種、多様な型のシザーズが誕生し、今では世界一と言われる程優秀なシザーズの生産国になりました。

 


 

鋏の種類と特徴

  • 刈込鋏

    頭髪の刈込み用に使われる物で、コーム(櫛・くし)と併用して使用する事が多い。
    刈込み用と仕上げ用が有り、仕上げ用は多少小さめの物が使われています。

  • 断髪鋏

    頭髪の断髪用に使われる物でコームは使用せず、単独で使われ刈込鋏より柄が長めの物です。

  • 梳き鋏

    梳き刈り用に使われる物で、静刃が一定の間隔で櫛歯状に形成された物で頭髪を間引いて毛量や厚さを調髪する為の物です。カット率により目数、櫛型(アール・ストレート・溝付き・溝無し)等種類も多種有ります。

 


 

焼き入れ

金属には、暖めてから急激に冷やすと硬さが増す性質があります。この性質を利用したのが焼き入れ処理です。

刀鍛遺の職人が、鉄を真っ赤に焼いて水に浸ける所をテレビなどで見た事はありませんか。此が代表的な焼き入れの方法です。

最近では電磁波を使ったもの高周波焼き入れが主流です。鋏は湾曲した2枚の板バネが向かい合わせに重なりあった物と思って下さい 此の2枚のバネの反発力(よく言う鋏のそり)こそが焼き入れ効果なのです。

従って、刃の強度そり(バネの強さ)がここで決まるのです。焼き入れが柔らか過ぎると2枚のバネはピタリとくっついたままで何も切れません。硬過ぎると板バネの反発力がなく刃が噛り合ってしまいます。

鋏の善し悪しは、材質と此の焼き入れ処理で殆どんど決まってしまいます。刃付けなどの処理は後から何度でもやり直し出来ますが、研ぎ直しても再生しな

経年変化でも焼き戻りと言う現象が起こります此は自然現象の為仕方のないことです 寧ろ繰り返し使っていた方がバネ自体も運動しているので良いのではないでしようか 大切にしまって置いたつもりが焼き戻り なんて事に成らない用にご用心下さい。どうしても保存したい場合はX型に広げてOILなどを染み込ませた布で包んでビニール袋で密閉して置くのが無難ではないでしょうか。(止めネジを緩めるか、外して置くのもいい方法かも?お薦めできません)

 


 

良い鋏と悪い鋏

良い鋏とは切れ味の良いもので、研磨再生に優れた物を言います。

形状に狂いの起きにくい品質で研磨・刃付けに依り切れ味が初期の切れ味に戻る事が重要です。新品の時はどんな鋏でも良く切れます。

特に重要なのは、動刃と静刃を締め付けるネジ部と鋏体の接合部のがたつきが全く無いこと。俗に言う、滑る,逃げるの原因の殆どが此のネジ関係の遊びからです。(経年変化による物としては そり戻り、捻り戻り等が原因となります)

セニングス等で良くある話ですが、切れなくなったので研ぎに出したら刃が噛むように成ってしまったとか、数回切ると全く切れないとか良くある話です。此の原因は殆どが鋏自体の欠陥なのです。メーカーでも回収した筈の品物が何故か市場に出てしまうんです。それもかなりの高値で買わされる人が多いのです。心ない訪問販売者にはくれぐれも注意して下さい。信頼の於ける販売店の方が無難です。

従って、良い鋏は自分で選ぶ事が難しい場合は、信用のおける人に紹介していただくのも良いのではないでしょうか。

 


 

手入れ方法

切れ味の良い刃付けの物ほど、使うたびに返り刃をティッシュ等で軽くふき取り、峰から刃先にかけて押し出すように拭きあげて下さい。

最後に刃裏の元から刃先にかけて押し出したバリを軽く水平にふき取って下さい。

水などで流し洗いをされた場合は、良く水分をドライヤー等で乾燥させてからサロンオイルなどで防錆処理を行って下さい。

分解掃除はネジ圧変化に依る切れ味不良と成りやすい為、避ける事をお薦め致します。

刃付け部分を落としてしまう危換があるため、刃の真上は絶対に拭かないで下さい。

 


 

研磨の時期

新品の場合、ほぽ1.5?2ケ月、その後は2?3ケ月位が再生能力の回復し易い限界と思われます。目安としては、初期の切れ味より多少力が必要となったときが研ぎ時だと思って下さい。
1日当たりの仕事量と一人々の力の入れ具合によりかなりの差が出ます。まだまだ切れるからと無理な力を入れて使い過ぎると、先端の刃部を摩耗し過ぎて刃起こしが出来ず、峰起しからする事になり、刃厚が薄くなる原因にも成りますので、早めの判断が肝心です。

研磨を繰り返しても再生力に優れ切れ味が持続します。ですから、一人々が自分の体の一部だと思って大切に扱って下さい。

 


 

各部の名称

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